尿路結石とは?
体の中の老廃物は腎臓で血液からろ過され尿管を通って膀胱へ運ばれ、尿管を通ってオシッコとして排泄されます。体の老廃物にはオシッコの中で結晶を作るものがあり、それが尿の通り道に滞ると有機物やほかのミネラルと結合してだんだん大きくなって結石になってしまうことをいいます。
どうして結晶化するのかはっきりわかっていませんが、細菌感染による膀胱炎・水分摂取量の減少や排尿の我慢による尿の濃縮・リン酸・マグネシウム・カルシユムなどのミネラルの過剰摂取などが関連していると言われています。
結石の大きさや形は様々で、目に見えないくらいザラザラした砂状のものから、膀胱の中でテニスボールくらい大きくなってしまうものまであります。犬にもありますが、猫の方が多いです。
尿路結石が出来るとどうなるの?
尿路結石の元となる結晶は角がとがった形をしていてとても硬いものです。尿路結石の初期はこの小さな石がオシッコの通り道を内側からチクチクと刺激するため、膀胱炎になったり、オシッコに血が混ざるようになったりします。膀胱炎になったペットフードはトイレに何回も行くようになり、オシッコをするたびに痛みを感じたりします。オシッコを体外に排泄できなくなり、膀胱がパンパンになり、急性腎不全の症状が現れることがあります。男の子の犬や猫は、女の子に比べて尿道が細く詰まりやすく、特に注意が必要です。
もし次のような症状が見られたら、早い目に動物病院へ行ってください。
☆オシッコが臭くなる。
☆オシッコをしながら「ぎゃー」と鳴く。そして、オシッコをしたあと陰部をよくなめている。
☆オシッコをして後のペットシーツを触るとざらざらしている。もしくは光にかざすとキラキラしてい る。
☆オシッコが赤くなる。
☆何度もトイレに行くようになる。
☆トイレに座ったまま出てこなくなる。(残尿感がある)
☆元気がなくなり食欲不振や吐き気などの症状がでてくる。
【尿路結石症の予防法】
一度結石が出来たペットの多くは再発することが知られています。
治療を行ったあとの再発防止の方が大切です。
☆尿が濃くならないように新鮮な水をいつでも好きなだけ飲めるようにしておきましょう。
☆トイレは常に清潔にしてペットがしたいときに気持ちよくできるようにしましょう。
☆結石ができる原因として食事内容も関わるので、ミネラルバランスがよく、適切なオシッコのPHをコントロールする適切な食事を与えるようにしましょう。
【治療法】
軽度の場合は、結石を溶かす薬や療法食を利用します。膀胱や腎臓に砂状ではなく大きな石がある場合は、手術で取り除くこともあります。結石が尿道に詰まっていてオシッコが出にくくなっている場合は、尿道口からカテーテルを入れて尿道を洗浄し、詰まっているものを流し出します。詰まっている結石が取れない場合や、オスで再発をくり返す場合には、ペニスを整形して尿道を短くする手術を行うこともあります。